産後の体調不良に効果がある漢方薬はある?

不調の症状には個人差がある

命懸けの出産を終えたお母さんの体は、交通事故に遭った後のようにボロボロの
状態になります。

そのような状態の人にすぐに動けというのは、酷ですよね。
実際に交通事故に遭ってしまった場合、術後は誰もが休息します。
怪我した箇所によってはリハビリだって必要になりますよね。

産後は、見た目で分かるくらいクタクタになっているお母さんもいますが、元気に
見えるお母さんももちろんいます。
どんなお母さんも、出産で体力を消耗しています。

そのため、産後のお母さんには休息が必要です。

ただ、どんなに休息が取れていても、産後の不調に見舞われるお母さんはいます。
産後の不調は、生活環境や生活リズムで、良くなったり悪くなったりするんです。

そのため、不調の症状には個人差が出てくるんです。

多くのお母さんが抱える産後の不調

産後の不調は色々存在しますが、多くのお母さんが悩む代表的な症状があります。

・乳腺炎
乳腺炎は、母乳育児をしているお母さんなら知っている症状だと思います。
その名の通り、乳腺に炎症が起こる疾患です。

最初は乳房にしこりが出来ます。
それが悪化すると、乳房が張ったり固くなってしまいます。
痛みに襲われるお母さんも多く、発熱を伴うこともあります。

乳腺炎発症の原因は色々あり、赤ちゃんの口から細菌が入り、化膿してしまう
場合と、授乳の間隔が偏ってしまったり、母乳が乳房に残っている状態が
繰り返されたりする場合があります。

・悪露
産後すぐから1ヶ月程度続く子宮からの出血です。
出産で剥がれた子宮内膜や胎盤、産道の傷跡からの分泌物です。

お母さんにとっては、出産でも出血したのに、産後に生理のような現象が現れて、
血液に対して不安を抱きますよね。
母乳も血液から作られるので尚更不安になると思います。

そのため、貧血になりやすいんです。

悪露に対して、とても鬱陶しく感じるお母さんも多いでしょう。
でも、産後の処置で、出産後に必要なくなる胎盤などを出しますが、そのときに
全てを出し切れる訳ではないんです。

悪露は、そのときに出し切れなかったものが、出てくる手段でもあります。
悪露は鬱陶しいけど、産後のお母さんにとって非常に大切な役割をしているんです。

先にも書きましたが、悪露は産後1ヶ月程度まで続きますが、それ以上
続く
お母さんもいます。

まず、出産方法が自然出産か帝王切開だったか、で変わります。
自然出産であれば1ヶ月程度ですが、帝王切開であれば2ヶ月程かかります。

期間にこのように違いが生じるのは、子宮に原因があります。

帝王切開は、子宮を切開して赤ちゃんを取り出します。
悪露は、子宮の収縮によって排出されますが、帝王切開で子宮を切開すると
子宮の収縮が妨げられるんです。

そのため、帝王切開の場合の悪露は長引くんです。

でも、自然分娩なのに悪露が長引く・・・というお母さんもいます。
その場合は、体内でトラブルが起こっているので、受診が必要になります。

不調に効果のある漢方薬

今回は、産後の不調の中で代表的な乳腺炎と悪露について、見て見ましょう。

・乳腺炎
乳腺炎に効果のある漢方薬を調べると、葛根湯が圧倒的に有名です。
でも、葛根湯は悪寒があって汗をかいていない状態でなければ、使えません。

葛根湯以外にも、乳腺炎に効果のある漢方薬は存在します。

「紫根牡蠣湯(しこんぼれいとう)」は、熱を冷ます作用と詰まりを取り去る効果が
あります。

この漢方は、ガン治療にも用いられる漢方薬なので、人によっては躊躇してしまう
かもしれませんね。
でも、乳腺炎などの疾患にも応用されているんです。

紫根、忍冬、升麻、牡蛎、大黄、黄耆、甘草、芍薬、当帰、川?という10種の
生薬から作られています。

紫根には、清熱・解毒・排膿の効果があり、忍冬、升麻は清熱・解毒の効果で
紫根を助けています。

虚証で貧血傾向の人に効果があります。

他にも、「逍遥散(しょうようさん)」という漢方薬があります。
こちらは、ストレスが多く気詰まりを起こし、乳腺炎も併発している方に効果的です。

「加味逍遥散」という名前が似た漢方薬もあります。
こちらは、当帰、芍薬、白朮、茯苓、柴胡、牡丹皮、山梔子、甘草、生姜、薄荷葉
の10種の生薬から作られています。

逍遥散は、加味逍遥散で使われている「牡丹皮」と「山梔子」を除いた8種の生薬
から作られています。

効能としては、憂鬱感やイライラ、胸脇痛、寒くなる、暑くなる、眩暈や頭痛、
口と喉の乾燥感、月経不順、経血量が少ない、乳房が張りと痛み、食欲、
疲れやすい、無力といった症状がある人に効果があります。

でも、逍遥散と加味逍遥散は、2種類の生薬の有無という違いだけで、基本は
同じなんです。

・悪露
悪露が長引くときは、血の流れが滞ってたまっていると考えられています。
そのようなときに、たまっている血を取り除く漢方薬が存在するんです。

「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」は、血行障害が関係する幅広い症状に
用いられる漢方薬です。

頭痛や肩こり、眩暈、のぼせ、冷え、神経痛、体の痛み、子宮筋腫、乳腺症
といった症状に使われます。

月経困難症などの月経異常や更年期障害など、女性特有の症状に効果があるので、
産婦人科ではよく処方される漢方薬にもなっています。

桂皮、芍薬、茯苓、桃仁、牡丹皮の5種の生薬から作られています。
桃仁と牡丹皮は、局所の血流を改善させる生薬として使われています。

まとめ

今回は、産後の体調不良の中でも、お母さんが抱える不調として代表的なものを
見てみました。

なるべくなら薬などに頼りたくないと考えるお母さんも多いでしょう。
でも、生薬から作られている漢方薬は、授乳中でも服用出来るものが多いです。

長期的な服用となるイメージが大きい漢方薬ですが、効果の優しい漢方薬で、
地道に不調を改善させながら、子育てと生活を楽しみましょう。