産後に疲れやすいのは、もしかすると甲状腺機能異常のせいかも

産後の甲状腺機能の変化

・妊娠中は自己免疫機能が低下する
・出産することでリバウンド状態となる
・産後疲れと勘違いされやすい
・甲状腺ホルモンは身体全体に作用する重要なホルモン

女性は妊娠・出産・授乳を経験していく間
甲状腺ホルモンの分泌が
減ったり増えたりすることを知っていますか?

妊娠中はお腹の赤ちゃんを育てる為に
お母さんの「自己免疫機能」が下がっています。

これは間違って赤ちゃんが異物として認識され
免疫反応によって排除されることがないようにと
赤ちゃんを守るために起こる現象です。

ところが出産して赤ちゃんが外に出てしまうと
この自己免疫機能がリバウンド状態となり
甲状腺ホルモンが過剰に出てしまう状態となるんですね。

甲状腺から出るこのホルモンは女性の健康を左右する
重要な働きをするホルモンなんですよ。

あまり知られてはいませんが
出産後の女性20人に1人は
この甲状腺に異常が現れると言われています。

産後は疲れがなかなか取れなくなったり
疲れやすくなったりするので
見落とされがちな病気なんです。

1か月健診時に全てのお母さんに
血液検査を行うべきだと提唱する先生も最近は増えてきているそうです。

甲状腺の役割は身体の代謝を上げるホルモンを作り出す臓器で
首の前の方、のどぼとけのすぐ下にある臓器です。

甲状腺ホルモンは全身の細胞に作用する重要なホルモンなんですよ。
このホルモン調節が上手く行かなくなると全身にいろんな症状が出てしまいます。

時期がくれば自然と落ち着くことが多いので
育児疲れかな?くらいにしか思わず
見過ごされがちなんですよ。

また産後うつと間違われることも多く
適切な判断がされないまま
辛い時期を過ごさなければいけないお母さんも少なくありません。

甲状腺ホルモンが多すぎる

産後1~3か月ごろによく見られ
症状としては食欲増加・暑がり・頻脈・体重減少・イライラ
神経過敏・疲れやすい・多汗・不眠等の症状が見られます。

食べても食べても体重が減り続けるのを
授乳のおかげだと喜んでいる人も居るでしょう。

でも実は、甲状腺ホルモンの分泌が多すぎる為
食べても食べても消費カロリーが追い付いていないという事も考えられます。

産前に比べ、産後暑がりになり多汗気味になっていても
妊娠中体重が増えたからかしら?とか
赤ちゃん抱っこし続けているからきっと暑いんだわなどと思ってしまうことも多いのです。

神経過敏やイライラも慣れない育児に四苦八苦しているお母さんにとっては
まさかそれが病気のサインであるという事はあまり考えませんよね。

疲れやすさや不眠も、産後1~3か月と言えば
まだまだ育児に不慣れで、授乳やミルクの回数も多く
ゆっくり夜寝れる生活とは程遠いので当たり前だと思い込んでしまうお母さんも多いでしょう。

甲状腺ホルモンが少なすぎる

産後3~8か月ごろによく見られ
症状としては1~3か月時に見られた症状の真逆の症状が見られます。

寒がり・体重増加・無気力・気落ちする・疲れやすい
便秘・浮腫み・抜け毛等の症状がみられます。

5・6か月になると離乳食が始まり
授乳の回数も減ってくる人も多いでしょう。
そうなると体重増加は授乳の回数が減ったからだと考えてしまいがちです。

3か月を過ぎると一日中抱っこしていなくても
赤ちゃんが機嫌よく一人で過ごしてくれる時間が増える事もあり

元々冷え性が多い女性の場合は、寒がりになったとしても
「元の冷え性に戻った」くらいにしか思わない人も多いのです。

無気力や気落ちした状態も疲れの延長だと感じるお母さんが多く
病気かな?と感じても「産後うつ」を疑ってしまい
甲状腺の病気だとは考えない人が多いでしょう。

便秘や浮腫みも女性に多くみられる症状の為
それが病気であるとは直結しにくいのが現状です。

産後は抜け毛が増えるというのも
よく聞く話で、かなりごっそり毎日抜けるようになるので
それだけで病気を疑うことは少ないでしょう。

ホルモン分泌が多すぎても少なすぎても
現れる症状があまりにも産後見られやすい症状なので
病気だとは気づかずに生活しているお母さんも多いはずです。

また出産による一過性のモノだと1年くらいで落ち着いてしまうので
知らないうちに治っているという状況になりがちなんですよ。

検査方法と治療法

検査方法は血液検査だけなので簡単に済みますよ。

・FT4(遊離サイロキシン)
・FT3(遊離トリヨードサイロニン)
・TSH(甲状腺刺激ホルモン)

の3つの数値を調べることで判別が可能です。

また、最近の研究結果では
身内に甲状腺異常が見られた場合
遺伝する可能性があるという研究結果も出ています。

身内に、バセドウ病や橋本病を経験した人がいるお母さんは
積極的に病院を受診する方がいいでしょうね。

どこの病院に行くべきか悩んだ場合は
「内分泌科」を受診しましょうね。

病気の確定がされれば投薬開始となりますが
授乳中でも問題のないお薬を出してもらえるので
安心してくださいね。

産後の甲状腺機能の変動は一過性のため
時間が経てば落ち着くことが多いですが。

しかし中には、落ち着かずにそのまま病気が継続してしまう場合もありますので
放置せず、病院を受診することをおすすめします。